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【速報】<2026年度> 京都工芸繊維大学 3年次編入学試験問題 数学 講評

  • 執筆者の写真: 大坊 忠将
    大坊 忠将
  • 7月18日
  • 読了時間: 3分

先日行われた京都工芸繊維大学3年次編入学試験の数学の問題について講評します。


大問1 線形代数

未知数を含む4次の正方行列に関する問題。

(1)

与えられた行列の行列式を求める。余因子展開により次数を下げる。2次まで下げたらサラスの公式を行う。3次の状態からサラスの公式を行うと、因数分解されない状態で答えが出るので注意が必要。

(2)

連立方程式の解空間の次元を求める。未知数が含まれているため、場合分けによりランク、解空間の次元を求める。カーネル、Ker、核などの単語は使われていないが、過去に出題されていなかった線型写像のカーネル(核)を意味している。

(3)

一次変換の像の基底を求める。(2)と同様に線型写像のイメージ(像)の基底を求める。

講評

今まで出題されていなかった線型写像の分野からの出題。カーネル、イメージなどの用語の意味を理解して、今後はこの分野の学習を行うこと。神戸大・電気通信大などのワンランク上の大学では線型写像からの出題が多く難易度も高い。今後はこのような傾向に変化することも想定しておく必要がある。


大問2 極限値と積分

(1)

(i)簡単な関数の極限値を求める。ロピタルの定理を利用する。未知定数が含まれているため、場合分けの可能性を疑う必要がある。(ii)複雑な関数の極限値を求める問題。極限値を求める場合は一般的にロピタルの定理を使うことが主流だが、本問の場合はロピタルの定理を使うと、式が複雑になってしまうため、(i)をヒントとして利用する。ヒントを利用すると簡単に求めることができる。あとは計算ミスに気をつけること。

(2)

広義積分を求める問題。広義積分は定積分の計算と極限を求める過程を分けること。指数関数とxの2次の多項式の積の関数であるため、部分積分を2回行う必要がある。計算ミスに気をつけること。

講評

極限値を求める問題は以前はロピタルの定理、近年はマクローリン展開を利用する傾向があった。今回は初めて誘導を利用した問題が出題された。想定外の問題に対応できる力が求められている。


大問3 偏微分

logの真数部分が三角関数になっている複雑な二変数関数の問題。

(1)

二変数関数の第1次偏導関数と第2次偏導関数を求める。(2)の極値を求める問題にもつながるため、計算ミスに気をつけること

(2)

指定された領域内での極値を求める。停留点を正確に求めるには、三角関数を正しく理解しておく必要がある。三角関数が苦手な受験生はきちんと学習しておく必要がある。

講評

ほぼ毎年出題されていた二変数関数の極値を求める問題。近年は比較的難易度が低く、絶対に誤答が許されない問題であった。しかし、今回の問題は計算が複雑になったこともあり、難易度が高くなった。


大問4 微分方程式

連立微分方程式

(1)

未知関数を消去して定数係数2階線型微分方程式を求める。一方の式を微分してもう一方の式に代入する。

(2)

(1)で導いた微分方程式の一般解を求める。一般的な同次2階微分方程式の問題。何度も解いたことのある問題であっても、途中式を省略せずに丁寧に書いて論理的な解答作成を心がけること。

(3)

初期条件の下で解を求める。(2)で求めた一般解に初期条件を代入して積分定数を求める。

講評

過去20年のうち、近年に一度だけ出題されていた連立微分方程式が再度出題された。難易度は低いが初見の人にとっては難しいと思われる。線形代数を利用する解法もあるため、今後の受験生は確認しておく必要がある。


全体講評

線形代数が線型写像の分野から出題された。その他の点では全体的に出題傾向が大きく変わることはなかったが、近年少しずつ傾向が変化している。極限値を求める問題がロピタルの定理では通用しなくなった。二変数関数の問題は計算が複雑化したことで難易度が上がった。これらの変化に気をつけながらも、全体的に計算力を強化することが必須である。

 
 

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